フィラリア予防に効果的なタイミングは「いつ」?
2022年2月20日
こんにちは。
京急本線「黄金町」駅・横浜市営地下鉄ブルーライン「伊勢佐木長者町」「阪東橋」駅近くにある【横浜南どうぶつ病院】です。
わんちゃんの病気のうち「フィラリア症」は広く知られていますね。
フィラリア症は蚊が媒介する病気なので、“予防薬は夏になってからでも大丈夫でしょう”と考えていたら、それは大きな間違い。
「5月」が予防を始める効果的なタイミングなんです。
フィラリア症は100%予防できる病気です
フィラリア症は、「イヌフィラリア(犬糸状虫)」の幼虫に寄生された蚊に刺されることで感染する寄生虫疾患です。
フィラリアの幼虫はわんちゃんの体内で20~30cmの長さにまで成長し、やがて心臓や肺動脈に寄生。すると肝臓肥大、腹水、浮腫、肺動脈の詰まりなどの症状が現れます。
場合によっては心臓の弁にまでフィラリアがからまり、急死することもある恐ろしい病気です。
しかし、フィラリア症は正しくお薬を与えれば、確実に予防できます。
“気づかないうちに感染していた…”ということがないよう、きちんとした対策が大切です。
フィラリア予防は「5月」から、がベストな理由
蚊の活動時期は季節よりも気温が大きく関係します。
近頃は温暖化の影響で蚊が活動を始める時期が早まり、すでに4月には蚊が飛んでいる姿を見かけることも多くなってきました。
つまり、4月にはフィラリアに感染する可能性があるということになりますが、すぐに予防薬を与える必要があるのかというとそうではありません。
フィラリアの幼虫は犬の体内に入り込んでから3~10日後に脱皮し、体中に移動できる段階に成長します。
フィラリアの予防薬にはこの段階の幼虫を100%駆除する効果があります。そこで蚊が姿を見せる4月よりも、1ヶ月後の5月からお薬を与え始めることが予防のベストタイミング。
そして蚊の活動が弱まる11月から1ヶ月後の「12月」までお薬を続けましょう。
フィラリアの予防薬を与える前には必ず血液検査を!
毎年、蚊の活動時期の初めに血液検査を受けて、フィラリアの感染確認を行いましょう。
フィラリアの予防薬は、獣医師の指導のもとに使用しなければならないお薬です。
与える前には血液検査を行い、フィラリアの感染の有無を確認しなければ処方することができません。
なぜなら、すでにフィラリアの成虫が大量に存在している場合、予防薬でショック反応を起こす危険があるためです。
フィラリア予防は毎年行いましょう
蚊が媒介するフィラリア症は、お薬を正しく与えれば100%防げる病気です。
そして予防薬を与える前には必ず血液検査を受けてください。
当院では、わんちゃんの健康状態をはかるうえでとても重要な検査として血液検査を位置付けています。
フィラリアの感染確認とあわせ、病気の早期発見にも役立ちますよ。